アラシサン弐

アスのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
4.0
ゲットアウトが人種差別への皮肉だとしたら、こちらは格差社会への皮肉か。

上流の人たちが「みんなで手を繋いで一つになろうぜ」って政策を掲げても、結局それは自己満足で下流の人たちの存在と問題の本質には気付けないことの方が多くて。アメリカに限らず、見て見ぬふりしてるといつか足元すくわれるぞっていうメッセージを感じる。
「何者だ?」って聞かれて「アメリカ人」って答えるのめちゃくちゃ皮肉でしょ。

正直、序盤からそれっぽいメタファーを散乱させてくるからなんとなく展開は読めてくるのだけれど、相変わらずジワジワ圧迫してくる演出で緊張感はあるし普通に画が怖い。

あとこの監督、「ホラーとコメディは紙一重」を地で体現する人だなぁと思った。
分身家族と初めて対峙するシーンとか、警察呼ぼうとしてN.W.A流れちゃうシーンとか、それ以上いくとホラーじゃなくなるぞっていうギリギリまでユーモアに振ってる感じがする。

ホーム・アローン作戦にしなくてよかったね。
アラシサン弐

アラシサン弐