ジョーダン・ピール監督は社会派ホラー映画ともいうべき作品を作り出す天才である。
前作の『ゲット・アウト』においてもはっきりとではないが、白人が無意識のうちに抱く黒人への差別意識を描写していた。
本作でも、アメリカに潜む分断というものがテーマになっていたのではないかと思う。この点では、『パラサイト 半地下の家族』に似ている。
アメリカは深刻な格差社会であり、貧困層が富裕層になれるチャンスは少ない。また、トランプ政権誕生以来、ますます格差は広がる一方である。
監督はこのテーマを暗に示しながらも、エンタメ性のあるホラー映画に昇華している。
オチを言うと台無しになる映画なので事前知識なしで見た方が良い。