ニカイドウ

バースデー・ワンダーランドのニカイドウのレビュー・感想・評価

3.0
ポスターやジャケ写などで絵柄を見て、今敏とかスタジオ4℃っぽいキャラやと思って気になってました。
けど、あの前面に押し出された女性が小学生やったのには驚いた。どう幼く見積もっても高校生くらいかなぁ…と。ランドセル出るまで気づかんかったよ。
だから、考えてたのはもう少し大人な…というか、大人一歩手前の悩めるストーリーやったんよな。
蓋を開けてみると、小学生向けの作品でした。
大人には物足りないかも知れません。俺が対象年齢を間違えてたってのもあると思いますが。
小学生のアカネとおばさん(若い)のチィが錬金術師ヒポクラテスに導かれて異世界へ。って話です。
異世界の雰囲気は、何に似てるかなぁって考えた時に思い浮かんだのは魔神英雄伝ワタルの創界山にある町や村みたいな雰囲気やなぁって。
コミカルさの似合う感じ。
そんな異世界を純粋に楽しめる人には面白いと思いますが、自分は雰囲気とキャラデザが合ってなくてずっと違和感。というか顔。服装や小物などは良い。ピンクのウサギのキグルミとかウサギ似の羊とかGOOD!
色をメインに据えたストーリーなんで、もちろん色彩も綺麗やねんけど、キャラクターの表情の乏しさのせいで綺麗なだけになってしまってる。命が宿ってないような感じ。綺麗な顔は崩しにくいんやろうか?
なら、クレヨンしんちゃん風なキャラデザのほうが合ってたと思うねんよなぁ。表情も豊かに描けるし、顔がほぼ口だけになって笑ったりっていう分かりやすい表現が出来たはず。
けど、それより何より俺が気になったのはBGM。
俺だけなんかな?主張し過ぎてるように感じた。
良い音楽なんやろうけど、主役はあくまで映像にして欲しかった。
小学生を取り巻くのがおじさんやおばさんっていう設定やし、もしかしたら実写の方が面白かったんちゃうかなぁとも思ったり。
そして、異世界から戻った後の話も、エンドロールに乗せるんじゃなくてちゃんと描いて欲しかったな。
冒頭でアカネがお母さんは事専業主婦っぽく言ってるし、お父さんおるんやんな?エンドロールの男の人はチィちゃんの彼氏?お父さん?
娘の誕生日にお父さんおらんなんて事ないよな?…お父さん、必要とされてない?そこが無性に気になるっ!!

…今作の色々から原恵一監督は『かがみの孤城』という名作を作り上げたんやろうと考えると、その軌跡の1つとして、というよりはパズルの1ピースとして必要な映画やったんやなぁと思ったりする訳ですが…………監督、エンドロールだけは懲りてないな。笑
金ローで切られてたやないか!!(金ローで『かがみの孤城』鑑賞後の一言です)
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