菩薩

家族ゲームの菩薩のレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
4.6
第3期ATGを象徴する作品であり、相米の『台風クラブ』同様、目玉焼きの黄身をちゅーちゅーする伊丹十三からして全てが「なんか気持ち悪い」作品である。市川崑以上に暗い照明、オーソン・ウェルズばりにソリッドなカメラ、もごもご何を言ってるか分からない松田優作、漁船に乗って通勤。極め付けは母に生理について訪ねる息子、に対してチン毛生えたかと返す母、このやり取りが最高。カット数の少なさも理想。逃げ出した成之を吉本が追いかけるシーン、マンションの階段で追いかけっこする二人の位置が、階違いでビタっと合ってるとこはめちゃくちゃ気持ちいい。横並びの食卓はまさに映画的発明の最高峰、最後の晩餐シーンのカオスぷりは何度観ても意味が分からないが、謎の爽快感を残す。ドがつくレベルの傑作。
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