横一列に並ぶ食卓に始まり、食卓で終わる。
シュールと日常を求めている人には見るべき映画だ。
なんの疑いもなく映画を見ていると、徐々に違和感を感じ始め、最初はそれがなんなのかわからなかった。
独特なタッチの映画はこの時代(30年前)を表していたのかと思っていたが、どうやらその時代そのものを象徴してるわけではなさそうだ。
シュールを意識しているということに途中で気づいてからもやもやしていた違和感がなくなった。
ニキビは思春期の象徴。
そんなどこにもいる受験を控えた中学生に松田優作が演じる家庭教師が指導をする。
この映画に一貫していえるのは、それぞれの人間関係に愛がない。
家族間には愛というものが感じられず、家庭教師からも愛のある指導とは言い難い。
ただそれが妙にリアルだった。
クライマックスはどういうことなのかと考えそうになったが、やっぱりわからず、ただ何かスッキリした感覚になった。
珍しい映画だけに、見てよかった。