ERI

アイデン&ティティのERIのレビュー・感想・評価

アイデン&ティティ(2003年製作の映画)
2.9
劇場に観に行きました。・・・私の好みの映画じゃなかった。でもスタッフさんやキャストの人が楽しそうに映画を作っているのが伝わってくるぐらい、映画に対する想いがシーンシーンにこぼれ落ちていて、その想いは私に好みです。 原作はみうらじゅんさんのコミックです。そのコミックを、みうらじゅんさんご指名で田口トモロヲさんが監督することになった。二人はもともと仲良しやったみたい。脚本はクドカン。音楽には遠藤賢司さんも参加。

そして主人公の中島は峯田和伸さんです。スタッフがめちゃんこ豪華。そしてそのチームの‘愛情’が映画から伝わってくるよう。

日本中に一大バンドブームが巻き起こった時、いくつものバンドがメジャデビューしていった。景気の低迷とともにバンドブームも去っていく。そして多くのバンドがどんどん消えていった。それでも、自分の音楽とロックを追求しつづけているやつらがいた。中島のやってる‘SPEED WAY’もその中の一つ。ブームが巻き起こってる時は、好きな音楽をやってられたけど、それが終わってしまうと好きなことばかりを追い求めていられない現実がある。売れなければ、食べてもいけないから。理想と、現実。その間で揺れる中島に、突然、ロックの神様が現れる。ボブ・ディランの歌で啓示を与える。

本当にロックをするってどういうことか?有名になればいいのかな?そういうことを悶々とちょっとストイック?だけど少しずつごまかしたりもしながらの青春物語。

自分になるってこと、好きなことに向かうということ。それが必ずしも誰かに認められるとは限らない。だからといって、周りの顔色ばっかりをうかがって生きていくのもしっくりいかない時がある。若いときはそのバランスをとる術も知らないから、不器用さに自分が傷ついたりもする。だけど、自分に自問自答しながら、自分で答えを出すこと、自分が心地よい場所を探すことが自体が、大切やったりする。そういう時間が、大事やったりする。
ERI

ERI