あかり

宮本から君へのあかりのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.5
かっこ悪いし、だらしないし、見てられないし、頼んでもないのに相手ボコボコにして、血だらけになっていきなり現れて、「幸せにしてやる」って歯の無い口で言われたって、なんだよってなるのに、女なら一生に一度は言われてみたい。これくらい全力で愛されてみたい。

全部に一生懸命で、全力でぶつかってこられても困るんだよなあ、って思いながら終盤までずっと流し見してたんです。もちろん、ぶつかって傷つけあってそれでも無我夢中でかっこ悪い走り方で愛を一歩的にぶつけながら走り抜けていく宮本を見ているのが痛くもあり頼もしくもありましたが。
ラスト、虫の知らせを感じ取って玄関に登場した宮本を見て、バカ真面目に取り乱して救急隊員に「無茶言わないでください」って言われる宮本を見て、抱きしめてないで救急車呼べよとか思ったけど、それ以上に何か胸にこみ上げるものがあってボロボロに泣いてしまった。なんかもう無理だった。その瞬間、スクリーンに映る全てが大好きだった。

いい映画だったな。ここまでかっこ悪く愛されたくはないとは思いつつこれくらいかっこ悪く愛されてみたい、という矛盾。
あかり

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