ゆめぴりか

宮本から君へのゆめぴりかのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.8
誰もが心のどこかに宮本を持ちつつも、宮本になれる人間はいない。だからこそ彼のどうしようもなく間違っていてカッコ良すぎる生き様に胸を打たれ、魂を揺さぶられ、「Do you remember?」が流れた瞬間に咆哮を上げたくなるのだ。
この映画で1番強いのは宮本でも拓真でもなく靖子だ。力では男に負けようとも、魂が誰よりも強かだ。だからこそこの映画は近年の「キャプテン・マーベル」や「ハーレイクイン」のような男を暴力で組み伏せるような薄っぺらい「女舐めんな映画」よりも誠実で美しい。
男と女が裸でぶつかり合い、言葉で殴り合い、抱きしめあって生きていく。
そんな”薔薇色の人生”を勝ち取るために闘う漢を真正面から描き切った堂々たる大傑作。
ゆめぴりか

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