O次郎

アイスマン 宇宙最速の戦士のO次郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ドニ―=イェン主演のタイムパラレルアクションシリーズ第二弾。
う~ん、なんというかいろいろな方向に中途半端な印象が拭えない。

一作目を観ずにいきなり今作から観てしまったのだが、冒頭の前作回想の件がまぁ上手くない。中世の人間がいきなり現代にタイムリープし騒動を起こしたという、よくあるながらもトンデモな設定なのにナレーションでこれまでのいきさつを延々十分以上掛けて解説、しかも振り返るシーンがアクションの映えてるところばっかりの摘み食いなので人物相関図がなんともわかり辛い。
前作観てる前提で作ってるにしても、幼少期にともに文武を学んだ義兄弟同士の対立を主軸にした物語なのにこれは如何なものか。

ビジュアル面でも肩透かし感があり、最たるものは主演のドニー=イェンの風貌。前作でタイムリープする前は長髪で、現代に来た際に髪を切ったはいいが、今作は元の中世が舞台なので長髪に戻したほうが作劇としても多作品との差別化としても良かったのではなかろうか...長髪があまり似合わないとしても。
あとは、お転婆ヒロインのホアン=シェンイーもなんとも好みの分かれるところ。中世に戻っての故郷の村で待つサブヒロインとの両手に花状態はなんともお約束ながら、結局義兄弟の陰謀を察知しながら防げず挙句ヒロイン二人とも死なせてしまうのは、鑑賞後の爽快感が命のこの手のアクション作品には致命的なんじゃないかと思う。

終盤、黒幕たる義兄弟の一人とサシで決闘になるかと思いきや、まともにガチンコで戦う相手は老兵の「和製ドラゴン」倉田保昭。確かに身体のキレは歳を感じさせず流石だが、ラスボスに配するのはなんか不自然な感じ。
アクションの質に関しては、他作品のような徒手空拳での格闘よりも剣術がメインだったのでその点はユニークながら、ジャンプ等でのワイヤーアクションが聊かチープだったので総じて大味に見えてしまったのが残念。

ラストの主人公の「時空の守り人」みたいなポジショニングもなんだか唐突だし、どこをよそって美味しいと感じればいいのかなんとも評価に困る料理。
どうでもいいが、義兄弟のうちの一人の男優さんが物凄くさかなクンに似てる。
O次郎

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