O次郎

カモとねぎのO次郎のレビュー・感想・評価

カモとねぎ(1968年製作の映画)
4.0
軽いノリだが人情に厚い凸凹カルテットは和製ルパンファミリーの開祖か⁉ 愉快痛快義賊譚に公害,戦争,権力への皮肉も込めたごった煮娯楽映画!!

三船敏郎さんの俳優デビュー作として有名な山岳アクション映画『銀嶺の果て』(1947)や"和製007"を目指した『国際秘密警察シリーズ』(1963~1967)の谷口千吉監督のキャリア晩年の一本。ちょっと調べてみたらどうやら70年代は公式記録映画を一本と自主映画を一本のみのようなので商業映画としては本作が最後となったようです。
 個性の強い男女四人による駆け引きと悪漢から大金を掠め取る大泥棒劇…プロットからすると『ルパン三世』(本作公開とちょうど同時期に第一作が連載されていたようです)あるいは『スパイ大作戦』を強く感じさせ、それだけに古い作品と言えど四人の軽妙な掛け合いこそ楽しみどころということが直感的に判る、偉大なるマンネリの一型です。
 しかしながらその一方で1968年という世相とその社会的問題意識が要所にエッセンスとして散りばめられており、単なる能天気には留まっていません。
 また、メイン四人を演じる森雅之さん、緑魔子さん、高島忠夫さん、砂塚秀夫さんは他の代表作品でのイメージとは一味違った印象を残しているので、そういう面でもまさしく掘り出しもん感でした。

noteに詳しい記事を書いたので、良かったら読んでちょ。
https://note.com/o_jiro0704/n/nb9377af66a1a
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