はさみのり

無垢なる証人のはさみのりのネタバレレビュー・内容・結末

無垢なる証人(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

チョン・ウソン主演、しがない弁護士オジサンと自閉症の少女との出会い〜

挨拶もままならない彼女と、なかなか関係を築く事が出来ない中、是非とも証人として証言台に立って貰いたい、その為少しでも距離を縮めていこうと努力していく。

冴えないオジサン役だが、やはりイケメンはイケメン、優しく綺麗な瞳をじっと見てたくなる。目尻の皺も素敵✨
終始穏やかに笑顔で接していく彼だが、その表情は序盤と最後では明らかに違う。

いい作品だったし見応えもあった🎞
最後は涙が止まらなかった😭

少女=キム・ヒャンギの素晴らしい演技を通して、自閉症の(中でもある一部の)特性を知る事となるが、彼女の場合は「レインマン」と同様サバン系。一瞬の記憶も写真を撮った様に記録として捉える事が出来る。。。
そんな飛び抜けて優れた特性を持つ反面、生活音や私達には気にならない些細な音にも過敏に反応してしまい苦しくなる。

母親も娘の特性を認めつつも、地域の中学に通わせている。少女自身が毎日学校で感じている居心地の悪さは、唯一登下校する友達がいるからと、気が付いていない母。

母子とも意を決して初めて証言台に立った時、先輩弁護士よりあたかも自分は欠陥人間かと突き付けられる様な言葉を浴びせられ、傷ついてしまうが、その後どう気持ちが変化していくのかも見どころ。

些細な音刺激にも過敏な人には、それ用のヘッドホン型のイヤーカバーをするとか、耳栓をするとかで皆さん工夫しているので、少女にも"お母さん、用意してあげて〜"と願わずには居られなかった。

因みにどんな不快音に悩まされているのか?
これも十人十色でその人によって不快な感覚は違うらしい。
例えば、"起きてる間ずっとラジオのチューニングが合ってない状態のザーザー音が聞こえている"とか、"生活音の一つ一つにエコーがかかった様に反響してる"とか"生活の中の擬音(ドア、靴音、食器、電化製品etc)がとても大きく聞こえる"等。
そんな不快音を長時間聴く事無い私達が、体験でもしてみると大抵の人は、短時間で逃げ出したくなりますよ、と講習を受けた事がある。
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