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ジョナサン ふたつの顔の男のbのレビュー・感想・評価

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ええと、自分を抑圧して生活してる人間のメタファーだし、ホモ視点の三角関係だったといえる話だったか
多重人格の苦しみ自体を重点に置いてるわけではないから多重人格にたいして一個一個人格を消していくという多重人格者へのセオリーになってるあの療法アプローチらしき描写はない
でももともとジョンにはジョナサンのほかに三つ目の人格があって申し訳程度にドクターが頑張ってるということがみえる
すでに特殊なタイマーで生活バランスをとらせるという仮処置をおこなってるあたりもドクターが詰んでるということがわかる。そこにたまたまエレナが表れてジョンの自我が肥大化、結果的に進展したということだろう
というか特殊なタイマーでなんとかやってる多重人格者の話という切り口だからな、ヤブ医者とか言われても仕方ない

LGBTQが強い流れでジョナサンというホモセクシュアルな人格を消して「やっぱ男と女だよ」といわんばかりにジョンとエレナが抱き合うみたいな落ちはさすがにバツが悪いと判断したのかラストで突然登場する黒人の男の運転手と浜辺で抱き合うというなんとも微妙な落ちをつけてる
彼が向かった先は新しい女だろう

ジョンは夜と表現するセリフからも最後の浜辺のシーンを日が暮れつつあるロケーションにしてジョナサンが死んで肉体がジョンのものになりつつあるということを示したのだろうから実は消えたのはジョンで残ったのはジョナサンということはない、と思う

記憶がとぶから探偵に自分を調べさせる話から始まるハインライン短編の「ジョナサンホーグの不愉快な職業」に似てるが超展開の話が着想元にしてはこの映画はおとなしすぎるな
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