ジョナサン ふたつの顔の男の作品情報・感想・評価

上映館(2館)

「ジョナサン ふたつの顔の男」に投稿された感想・評価

sayufusa

sayufusaの感想・評価

3.0
自分の中のほかの人格と互いに「兄弟」として生きる。想像するだけで不思議な感覚です…

終盤まで観ていて、どう着地させるのだろう?と思いましたが、ゆっくりと陽が沈むような終わり方で「これで良かったんだ」と後からじわじわ感じるラストでした。

テーマがテーマなので、コメディタッチでも作れるかもしれません。そっちも観てみたいな〜

主演のアンセルエルゴートは“All of the stars”の時と雰囲気が全く違くて、役者として新しい一面を見た気がしました。
静かな間を持ちながら独特の世界観で淡々と進んでいく。
だからこそ、このSF設定やストーリーの裏を、観る者はつい考えてしまう。

肉体は同じだけど、ふたつの人格を持つジョナサン。
脳のコントロールによって、正確な時刻でふたつの人格が入れ替わる。
几帳面なジョナサンと、逆に大雑把なところがあるジョン。
ふたりはビデオレターでお互いの生活を報告し合うのを日課としている。

この設定が前提にあり、ジョナサン(几帳面)視点で日常を描きながら、ふたつの人格は微妙にすれ違っていく。
その日常の描写の中で、この作品を読み解くヒントのようなものがあり、それらの意味を考えていくのが楽しい。

インサートカットも独特。
独特過ぎて、最初の方とか何が映っているか分からなかった。

よくも悪くも監督のセンスが光る作品。
Towanda

Towandaの感想・評価

4.3
Filmarks試写会にて鑑賞。

これを観るときの精神状態?が、なんだかものすごく素直にこの映画に合ってた。だからもしかするとそれ以外の時はこんなに感動(涙とかではなく、いろんな意味での)しなかったかも。

彼は建築事務所でパートとして働いている。建築家志望らしい、華はないが整頓された洒落た部屋に住んでいる。モデルルームのようで妙に生活感がない。
彼の中にはもうひとりの自分が住みついている。彼とは12時間ずつ体を共有している。

これがハリウッド映画だったら、下手にアクションとかを入れてベタな展開になってたかもしれないけど、そういうのを一切いれず最後までいったところがすごくいい。

頭を使ってではなく、ひたすら感性で観る映画だと思う。映画に対して理解を深めるのもいいけど、そうしてなくても全然面白い。

毎朝ランニングするのが日課の彼の「朝ランニングをした。木々のいい匂いがした」というセリフがあって、「あ、こういうのを楽しむ映画だ」と思った。自然の柔らかさと、無機質な病室や職場の硬い感触。そういうのを終始一定の温度を保った映像と撮り方で、楽しめる映画だった。

ところでちょっと変な見方をしてしまった。
仕事のこと、恋人のこと…ただでさえ誰もがそういうものに苛まれる生活の中で、二人の自分がいるということは果たして苦しみだけなのかな。
むしろストレスが分散されて、変な話それをよりどころにはならないんだろうか。
もう一人の自分がただ苦しみだけでなくなったクライマックスにかけて、そんな疑問が生まれた。
2回目見たらかなり面白そう
色彩が素敵なシーンがいくつかあって見惚れる
i

iの感想・評価

2.8
淡々と進む前半は睡魔との戦い。だんだん人格同士の葛藤が見えてきて眠気が飛んだけど、ボーっと観てると今はジョナサン?ジョン?とわからなくなる所があり、結末を知った上でもう一度細かな所を見直したい。
ひなた

ひなたの感想・評価

3.8
7時からのジョナサン、
19時からのジョン、
1つの体を2人の人格で分けあう。

映画自体はジョナサンの視点で描かれてるんだけど、好きなシチュエーションが多すぎて心の葛藤を想像しながら悶えそうになった。

同じスペックで違うのは心のみ。
自分が持っていないことへの不安や憧れは嫉妬との隣り合わせでもあり、無意識なのかわざと表に出さないのか、大胆な行動に結構ハラハラさせられるんだよ。。
一方で直接姿を表さないジョンは彼を想像しながらも、どちらか一方だけに肩入れ出来ない状況がみている側の気持ちも揺さぶってくる。

これまでは決して感じることのできなかったお互いが温もりを感じながら会話しているようなシーンがとても印象に残った。

上映後にトークショーもあって、
そういう考え方もあるんだ!!!
というのも面白かったんだけど、自分はてっきり北欧を目指してたのかと…。
随所にちりばめられた情報を発見することで自分なりの解釈が出来る映画だけど、凄くシンプルでもあるから内容そのものが難しいとかではないし、そのまま素直に理解して完結させることができるから、他の人の感想読むなら見終わってからの方が良いかも。。

あと、出演者に名前があったからナイスガイズ以来かと楽しみにしていたマッド・ボマー…。
他の人でも良くね??程度のほんのわずかな出演だったw

このレビューはネタバレを含みます

一人の身体を、12時間ずつ、二人の人格が使い分ける、
という多重人格モノの映画です。
お互いの時間(きっちり半日)は、当人しか記憶にないので、
寝る前に、その日の行動をビデオログしているため、
アンセルのクローズアップがやたらと多い。
全編アンセルが出ずっぱりなので、アンセルファンには必見です。

生真面目な七三分けのジョナサンと、
自由奔放なお気楽ジョンとの演じ分けも、
彼のしっかりした演技力によって、
魅力的な二人の別人(とはいっても兄弟だが)になってます!

昼間のジョナサンの生活を丁寧に描きながら、
二人の状況がしだいに明るみに・・・。
いろんな伏線をからめてあって、興味深かったです。

恋愛や、仕事、友人、今日どこへ行ったとか、
記憶を共有する二人のライフバランスは、
今、ちょうど半分ずつで、上手くいっているが、
二人の成長はアンバランス。
そのバランスが崩れた時、その時、それぞれの運命は・・・・

ラストの10分、急にあわただしく、ショットが変わり始め、
ジョンとジョナサンが入れ替わり立ち替わり、変化するさまに、
やっぱりジョナが消えてゆくんだな、と。
たぶん、強いジョンが、身体と時間を独占したんではないかな?
と思いました。

次回のアンセルは、
スピルバーグ監督の「ウェスト・サイド・ストーリー」で、
トニーを演じ、歌が上手い、と噂の、彼の美声も聴けるようです。
楽しみですね!
ズンピ

ズンピの感想・評価

3.5
人格が定刻で入れ替わる設定をうまく活かしていたように思います。
片方の側から物語を進めていくことで、色々なことを想像したり考えたりさせることに成功していたように感じます。
上映後のトークショーで評論家の方が言われていたように、入り口と出口が違う印象に映画に思いました。
shiron

shironの感想・評価

5.0
自分好みに繋ぎ合わせる興奮!
見終わった直後の感想は、ジョナサンの健気で報われぬ愛にキュンキュンしたので、宣伝文句にあるような“脳コントロールスリラー映画”とは思えませんでしたが
一晩寝てみると「なぜ、わざわざ??」と、腑に落ちない点が沢山出て来て…かなり恐ろしいスリラーに思えました。:(;゙゚'ω゚'):

なにせ情報量が少ないww
相手とのやりとりはビデオ画像のみで、ホントの事を言っているのか疑わしい。
たった95分の映画なのに、深読みし出すと、とめどもなく楽しめます!
大きなスクリーンで美しい映像と良い音響のなか、目の前に展開されるシーンそのものを楽しむのも映画の魅力の一つですが
もう一つの楽しみは、シーンに無いシーンの妄想だと思っています。
「映画はサマリーだ」と言った友人がいますが、まさにこの映画は、断片的な出来事を繋ぎ合わせて自分で組み立てる魅力に溢れています。
そして、その繋ぎ合わせる隙間には、おおいに個人の好みがブッ込まれる訳で(//∇//)

そもそも双子の依存物語が大好物なのですが
双子よりも強い、依存と反発と嫉妬と愛情が混ざり合った関係がたまりませんでした。
真面目で仕事も出来るけれど人付き合いが苦手なジョナサンと、社交的で自由なジョン。対照的だけれども、お互いの良いところも悪いところも全てを知っていた筈の二人に“知らない部分”が生まれた事によってバランスが崩れ…。急速に依存が深まり、亀裂はどんどん広がっていく
一番困るのは、直接会って会話を交わすことが出来ないところ。(←当たり前ですが;)
正直に腹を割って話せば理解し合えたかもしれないのに、ビデオを通しての一方通行の会話や、人を介しての情報で、溝は深まるばかり。
そして、相手の力になってあげたい時にも、直接慰めたり励ましたり出来ない。
決して抱きしめ合うことの出来ない関係が、切なかったです。

コミュニケーションが苦手な分、ジョンに依存するジョナサン。
強すぎる二人の絆に腐女子萌え(^^;;
健気で甲斐甲斐しい、アンセル・エルゴートのいじらしさにキュンキュンしちゃいました。
母性本能なんて一欠片も無い私の、母性本能がくすぐられる感じww
若い頃は渋いオヤジが好きだったので、若僧には興味が無かったのに、自分が年をとったということなのかしら?(^◇^;)
『ベイビー・ドライバー』はオヤジどもが骨抜きにされるフィルムノアールでしたが、年長者の庇護本能をくすぐる役がホントに上手い。
繊細すぎるが故の不器用さと、常に不満と不安を抱えたような表情。
長身を持て余すような立ち姿は、青春の危うさと揺らぎそのもの。
エル・ファニングと並んで「“今”をフィルムに焼き付けてくれてありがとう!」と感謝したくなる俳優さんです。


ブラックアウトする画面の時間が微妙に長く、独特なリズムを作り上げています。
いちいち物語から我に帰る時間が挟まれる事で、否が応にも「今のって、本当はどうだったのだろう…」と考えずにはいられない。
追い詰められている相手を知って、追い詰められていく。衝撃のラスト!
ああ。やっぱり、もう一回観たいな。
aiko

aikoの感想・評価

3.5
試写会に行ってきました。

あらすじとトレーラーを観て、「こんな感じの映画かなぁ〜」と、予想していたのとは全然違ってました。
一見、よくある多重人格の話かと思いきや、それとはかなり違う内容と展開でラストが予測不可能です。

「ベイビードライバー」の様な派手さは全く無いけれど面白い。
ふたつの人格を演じ分けるアンセルも見どころ。
印象的なのはジョナサンの鼻息。焦りや苛立ちなど感情を表現しているときに音声が強調されてる感じがしました。
ほぼ「ジョナサン」を中心に描かれているのに「ジョン」の方が魅力的に感じるのは私だけか?!

上映後の映画ソムリエの東紗友美さんと映画ライターの村山章さんのトークショーでお二人も「この入りだからこんな作品だろう。と思ってるのとは全然違う方向に着くよね。観る人によって色々な解釈ができる作品。」とおっしゃってました。

監督曰く、「願望についての映画」だそう。
映画を観て「なるほど!」と納得しました。

そもそも登場人物が少なめなのに、映画の大半はアンセル1人(2人?)のシーン。
アンセルファンには堪らない作品なのでは。😊
そんなファンの方に朗報。
この作品はリピーター割引があるそうです。
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