ダイセロス森本

ジョナサン ふたつの顔の男のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

4.2
一つの体にふたりの兄弟が入っている。朝7時から夜7時までは兄、夜7時から朝7時までは弟。彼らは会うことなく、テレビに録画した自分たちを見てお互いの生活リズムや考えることを知る。
ふたりが一つの体にいるということで、ルールを作り守っていたはずだったが、破天荒な弟がガールフレンドを作ってしまったことにより、兄の生活まで狂うことになる。

なかなか面白い題材で、入れ替わりや一人二役のアンセルも見れるしとても良い静かな作品だと思う。が、展開が遅すぎてイライラする。
何もない家、殺風景なSFをコンセプトに作られた家が時間の進みをもっと遅く見せているのかもしれない。

ベッドがふたつ、食べ物もふたつずつ。整理整頓された家には兄の個性が強く響いている。
兄は仕事をし、弟は夜中遊びまわる。二日酔いは兄に影響し、その関係は次第に崩れていくが、こういうことが本当にあるんだろうなあと錯覚するようなうまい作り方で魅了された。

淡々と進んでいくが終わりにはほろっと泣ける良い作品だった。SFドラマ。