DIZ

ジョナサン ふたつの顔の男のDIZのレビュー・感想・評価

3.5
ベイビードライバーのアンセル・エルゴートが二重人格者を見事に演じ切ったコントロール不能スリラー。

2つの人格が1つの体をシェアしているという極めて稀な症状を患った男、ジョナサン。
人格が切り替わると記憶が途絶え、別の人格が何をしているのか全く分からなくなってしまう。
自分なのに自分じゃない。
もうひとりの自分は一体何を企んでいるのだろうか…。
というストーリーです。

アンセルくんは本当にどんな作品にもハマる万能な役者さんだなと感じました。
アンセルくんファンは必見です。

自分なのに自分じゃない、と感じることって誰しもがあることだと思います。

本当の自分はこうしたいのに、理性的な自分が制止してしまう…というようなことが。

誰しも自分の中に2つの人格があるんじゃないかなと考えさせられました。

“心の声”と”頭の声”のようにバラバラに感じる時があります。

そういう時にこの作品を思い出して、自分を統一させたいと思いました。

心と頭のバランスが取れていないと不安定になってしまう。
心を蔑ろにしてしまいがちな私たちにとって
この作品は深く寄り添ってくれる。

サスペンススリラーのような広告ですが、観てみるとスリラーの要素はほとんど感じられません。

私にはとても丁寧に”自分”という存在に寄り添いながら成長していく姿を描いたヒューマンドラマに観えました。
DIZ

DIZ