Arima

ロード・オブ・カオスのArimaのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)
4.0
 上っ面の反体制を吹聴し、自らにBlack Metalという危ういジャンルのラベリングをした為に破滅へ向かう愚かなバンドマン達のお話。
 古くからPUNK等というこれまたニッチなジャンルの音楽を好んで聴き、「PUNK IS ATTITUDE.」の名言を盾に自分をカテゴライズして来た愚かな自分には、経験込みで思うところが多分にあった。
 集団のラベリングは便利だけれど、思考を停止させ分断を産む。どんなにカテゴライズされようと個人はどこまでも自由であるし、同時に社会からのラベリングから逃れる事は出来ないという矛盾を孕んでいる。LGBTQ、右左翼、ワクチン、色々分断があるけれども、しっかり個人を見てゆきたいなぁ、等と考えるきっかけになった。
 映画としては、「かつてブラックメタル界隈で殺人があったらしい。」そんな予備知識のみで観たので、十数年越しに事の顚末が知れて良かったけれど、ドキュメンタリーで良かったんじゃないかなぁ、という感想も生まれた。登場人物の心情の移り変わりがぼやけていて、ストーリーを追うだけで終わった印象。
 
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