U-NEXTって思いついて観たいと思ったやつが今のところは見放題にちゃんとあるから安心感がすごいな。
ジャックニコルソンとモーガンフリーマンの元ネタを、日本で、吉永小百合と天海祐希でリメイク。
『最高の人生の見つけ方』。
ただただ平凡に生きてきた淑女、吉永小百合。
旦那にも家事手伝いぐらいにしか思われてないような距離が空き、息子は引きこもり、娘は自分の人生で精一杯。
そんな中で、宣告される“末期癌”、途方に暮れて、何とかしようにも誰にも響かない。
家族の心配もあるし、自分の不安も。誰とも分かち合えない孤独、孤独、孤独。
そんな折、別の“末期癌”患者が同部屋に。
とある企業の敏腕女社長、天海祐希。若き旦那、賀来賢人がいるが、他に女を作る最低な男に、彼女の病を理由に会社を乗っ取られかける。
この“末期癌”の女2人が、入院中のとあるキッカケで始める、“死ぬまでにしたいこと”。しかも、他人の。
金持ちの天海祐希のお陰で、その“したいこと”のスケールが超ド派手に。
このまま特に何かしてきたわけでもない妙齢の主婦が、“終わりの見えてきた人生”で見つける生きる力。喜び。
今まで感じたこともない感情、得たこともない体験。
70歳を過ぎても、どんなに金持ちでも、まだまだ人生に埋まってないピースは山ほどあり、やってみなければわからないこともある。
ももクロのライブ、これはヤバい。エモい。
日本一大きいパフェ、これはやりたい。マジで。
色んな意味でムロツヨシ、最高。
役所なのか、そのままのキャラなのか、着飾っていても破滅的に絶望的なベースがあるこの作品と2人に、しっかり優しく、ほっこり、爪痕を残す。
スカイダイビングでも、ライブでも、牧師でも、え、エルヴィスも。
「私の人生を馬鹿にしないでください。主婦にだって大変なことはたくさんあるんです。うまくいかないことはたくさんあるんです。それでも一生懸命にやってるんです。」
突き刺さる。
たぶんこの言葉は、この2人の経験を経たから逆に出てきた感情の吐露なんだと思う。
この経験でたくさん新しいことをしながら一喜一憂したことで、知らず知らずのうちにそれまでの人生を振り返ることにもなる。
なんだかんだとそれまでの人生が自分を支えてきて、そこで生きてきた人生でここに行き着く。
どんな人生であろうと、ここまで生きてきた人が、全てにおいて退屈で、流れで生きてこれたわけでもない。
“最高の人生の見つけ方”とは何か。
それはきっと、エンディングノート的にやれなかったことをやって楽しかった、良かった、気分が晴れた、だけではなく、“ここまでの人生が最高であったことを再認識すること”。
それは案外簡単にできることではないかも知れない。月並みだけど、人生は一度きり。やりたいことがあるから、やってみる。
そして、やれなくて悔いがあることは、どんな時にやってもそれに遅すぎるなんてことはない。
なんて素敵な、生命力と優しさ溢れる物語か。
こうなってしまったことで見つかることもある。
一瞬触れた割に後半まで出てこない引きこもりの息子、、、やはり、それを触れずに終わるわけはない。
ドア越しに語りかける吉永小百合、、、これは、日本が誇る大女優の、大女優にしか為せない演技。
そして、そこから迎えること。
吉永小百合と天海祐希、そして、ちょっとだけムロツヨシ。
人は死ぬために生きてるとどっかの誰かが言ってたが、それは間違いないのかも知れないが、生きてる限り、死ぬその時まであがけば、その時に何か思えることがあるかも知れない。
そんな勇気をもらえる作品。
“大いなる無邪気な嘘”で生まれる“最高の人生”の見つけ方。
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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います！ご興味ある方は是非お待ちしております！
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