ガッチャン

戦場でワルツをのガッチャンのネタバレレビュー・内容・結末

戦場でワルツを(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

獰猛犬が……町中を走りぬける。
っていうところからはじまるわけだけど。
何かの比喩かなと思ってたら、まあ夢であれど、本当のこと。みたいな。
しんどいなあ。どこかでちらりとみた「アニメだからまだみられる」は本当だった。
詳しい状況を知らべてみたけれども、調べれば調べるほどもう閉口。なので、省くとして。

えと、なんだっけ。
そうそう、その犬の夢をみるんだ。という元軍人である友人の話を主人公のアリが聞くところからはじまるわけだが、
ふと、自分もイスラエル軍に入っているときの記憶が抜けてることに気づいて、その夜にフラッシュバックした大虐殺の夢を見る。
っていう。そこまでですでにえぐい。

照明弾がずっと撃たれてて……っていう描写があって、調べたら、サブラ・シャティーラの大虐殺の時、夜通し人を殺せるようにずっと照明弾たいてたって。
あったまおかしいだろ。
っていう。
まあこの映画自体、淡々と、淡々とインタビューとその人の記憶や経験を再現していくアニメで。
淡々としてるわりには、結構えぐいんだよね。いや、淡々としてるからこそ怖い。

戦争もなにも、正気なんかじゃやってられないだろうし。人間の残虐性なんてみたくないもの。
でも、これはフィクションじゃなくて、本当にあったことなんだ。って思うと、見ないとだめだよなって。

ずっとずっと思ってた。
だからこそ、今回見られる機会があったから見たわけだが。
しんどい。
淡々とかたり、淡々とその事実をやっていくわけだが。だからこそ、ああ。あるんだなって。思う。
PTSDはきっと人間が本気で考えないといけないことなんだけど、人間って戦争やめられないんだろうな。
理性のある生き物なのにな。大虐殺できるひとの精神ってもうおかしいでしょ。ならどうしてできるのか、どうしてっていう疑問がいっぱい出てくる。
銃弾の雨の中、兵士が「機関銃を貸せ」と躍り出てまるでワルツを踊るように銃を乱射したときに、ああ、邦題ここか。と思いながらみていた。本当にワルツで、人間の異常性がとてもよくわかったところ。
ああ、そのあとのファランヘ党員の拷問シーンとかね。

いやさ、言葉にするのもきつい。
あの「虐殺が……」ていう電話に「知ってるけど?」っていう淡々さ。
政治的なとか、いろいろあるだろうけれど、しんどい。

なんなの人間嫌いになるじゃん。※もとから嫌いです。

さて、しんどい。でもみないと。と思って。

でも最後の、虐殺が中止されて……難民たちが戻っていくときの悲痛な叫び声が、
これは……と思って聞いてたら、実際の写真に切り替わって、しんどかったなあ。

たまに、難民のお話は見るけれど、本当に人間のすることですかね?こういう心理ってなんなんですかね?

と思う。それしかない。
はーしんどい。

でも次もしんどい系の映画なんだよなあ。
なんで二晩続けてしんどい系みたよ。自分……。