まるでユートピアのような映画。
ここでは、差別も偏見もない。どんな変人も受け入れられる。
亡き妻のワンピースを着て家事をしているお父さんも、
「可愛くなりたい」と女装をする男子高校生も、
父親に猛反発してふてくされる主人公も、
全員あたたかく受け入れられるのだ。
ストレス社会に疲れた人におすすめ。
1つ難をいうとすれば、主人公役の橙花の精神年齢が幼すぎないか、ということだ。
一応既婚者、という設定であるにも関わらず、言動や感情表現の仕方が高校生くらいのように見えた。
女装した父を見てヒステリーを起こしたり、周りに冷たい態度をとったり、男子高校生を急に海に突き落として喜んだりする。
これが大の大人のすることだろうか?と疑問に思ったが、他は概ね良かったので気にしないことにしよう。
ストーリーは予告から想像できる通りで意外性はない。
しかし、先述の優しい世界の描き方は秀逸だし、新島村の景色は美しい。
十分すぎるほど楽しめた試写会だった。