クマヒロ

よこがおのクマヒロのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
4.9
人間の一面としてのよこがお、過去と現在の二面性を表しているようで…
筒井真理子さんのその時々の横顔に完全に魅せられた。

冒頭から最後の最後までなに1つとして無駄な描写、無駄なセリフがないと感じた。
どのセリフも一人一人の人格や、行動原理を表しつつ、物語を構成していく上で大切な骨格となっているようで、空気感から何から何まで、スクリーンに釘付けになった。
空気感や間の取り方、なに1つとしてかけてはならないセリフ、文句なしだった。

設定にしても犯罪ではないが、マスコミの格好の的になりそうなところで、かつ詳しいことを知っていないと叩かれるようなところ。

本当に直接的に悪いのはマスコミだけなんじゃないかとも思ってしまったし、実際そういったマスコミの報道で、印象操作されてる人も多いと思う。

冒頭の美容院でのシーン、大石家でのシーンから徐々に真実が明らかにされていく過程もこちらの心が徐々に締め付けられていくようだった。

ラストのシーンはなに1つ復讐のすることのできなかった心優しい市子の叫び、些細な嫌がらせのように感じ、また胸が張り裂けそうになった。

筒井真理子さんの表情、様々な場面での横顔、市川実日子さんの表情の写し方等、キャストも最高だった。
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