よどるふ

よこがおのよどるふのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
4.7
ミステリー映画としても、今年観た邦画としても私的ベスト1の大傑作。これだけ衝撃的なものを観せられたのに、エンドロールが終わったら立ち上がらなければならないのは酷過ぎると思った。観客の頭の上に疑問符を浮かばせる構成が完全に決まっている。

序盤で提示されるジグソーパズルのごとく、観客は頭の上にある疑問符を取り払うため、作品に散りばめられたピースをひとつずつ拾って全体像を完成させようとする。そうして出来上がった“絵”に描かれていたものそのものよりも、“絵”が完成した時点での“絵の時価”に打ちのめされた。

語りの手順を変えることで、“謎”とそれが解き明かされる“カタルシス”が生まれるという、ミステリーのお手本のような作品。とにかく全編サスペンスフルで飽きさせないし、先の展開が気になり過ぎて、「早く! 早く次のシーンを観せてくれ!」と思った映画は久しぶり。面白かった。
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