べのむ

劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring songのべのむのレビュー・感想・評価

3.6
フェイト映画三部作シリーズ、最終章。

前回で覚醒してしまった桜、大きく歪んでしまった聖杯戦争とその裏で暗躍する臓硯、冬木が崩壊せんとする中で士郎に運命の選択が迫られる。

作画クオリティはやはり高い。戦闘の絵をよくもあんなレベルで完成出来るな、と圧巻の一言。

ほかのレビュワーさんたちが言っている通り、ストーリーを時間内に収めるため端折ったり説明で済ませる過程は、思い返せば多く見受けられたかなとは思う。ただそれが自分にとっては何も知らない人がパッと見た時にスルッと理解はできるのかな?くらいの懸念であったためあまり気にはならなかった。ただ原作をよく知っている人らのそういうレビューを見てしまうと、桜の度を越した不安定さは原作通りだったのかとか端折った部分を納得できるほどに内容を加えたものを映像として観てみたさとか後々に出てくるモヤっと要素はあると言えばある。

このストーリーって主人公の士郎が桜のみを守るために全力を注ぐことを主軸にしてそれを究極の正義にしてはいるけども、実のところ多くのキャラが誰かのためにと自己犠牲に徹している。思い返せばⅠ、Ⅱでもそれが正しかったか否かに関わらずそれはちらほら出ていたなと。そして最後の締めくくりはやっぱああなるかなと思っていたらアレなんだからそりゃあ泣けてまうやろと。

狂言回しに徹していた感じの言峰がついに大きく動き出したかって感じかと思ったらめちゃくちゃ言峰にも焦点が当てられ始めて、あれ?これ言峰さんのストーリーだったんじゃね?と錯覚してしまったレベル。世界と自分の意志の矛盾に苦悩しながらもそれの答えを探さんとするあたり、全く別のように見えて実際のところ士郎と悩む境遇が同じであることからこの物語の第二の主人公って多分言峰さんでいい気がする。

連休中だからダラけようと思ったら土日の予定が遊びと仕事でほぼ睡眠不可の超過密になってしまった、そんな中で観た眠気を飛ばすクオリティ作品。
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