世の中に絶対なんてことはないけれど、自分たちの意志で一生を形づくることはできるかもしれない。
サスペンス系かと思ったらただただ、ラストにつれて純愛ものになっていくんだから泣いちゃうよね。
でも、テツオもソノコも、仕事や出会いなんて偶然でしかなくて、そこに運命とかロマンスを入れてもいいんだけれど、この2人だって地道な寄り添い合いで結果的に愛を形づくっているだけで、それはもう意志でしかないし、覚悟を決めることなんだろうな。
高橋一生と蒼井優の、些細な顔の動きや表情、仕草がたまらなく私たちが抱えているもので、改めて俳優ってすごいなあと思う。
はじめて2人が出会ったとき、工場のシャッターを上げたとき、テツオがずっと見つめて目を逸らさなかったところとか、ソノコが彼に触れられて何かぎゅっと掴まれたりとか、そうした私たちの日常に溢れがちな当たり前が可視化されていて、だからふとした2人のシーンで泣きたくなるんだろうな。
秘密がキーだった話だけれど、ラストのテツオしか知らないソノコの秘密のくだりがすごく素敵で、確かに恋人やパートナーと友人の違いってそうした秘密をいかに共有し合えるのか、かもしれない。
ソノコがテツオのことを考えて別れを切り出したとき、テツオが素直に向き合ってくれる人でよかった。
あと普通にラブドールの作り方見てるのが個人的には面白かった笑
背景に流れる時計の音がソノコのタイムリミットをより感じさせていて、そうした音の使い方も上手かった印象。
ああ、それにしても蒼井優がかわいい…。