れいな

イン・ザ・ハイツのれいなのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
3.8
前提知識があると更に楽しめるので是非🙆🏻‍♀️👇

【アメリカの社会情勢とワシントンハイツ】

1960年代以降、カリブ海諸国から大量の移民がNYに流入し「ニューヨークのカリブ化」と呼ばれる社会現象が起きる。結果、1990年から1994年の間でドミニカ共和国からニューヨークに移動した人数は11万人にも及ぶという。映画の舞台となっているワシントンハイツは、ドミニカ系の移民が多い地域となっており、主人公のウスナビも移民の1人である。ちなみに、ドミニカ共和国は昔スペイン領だったためスペイン語が公用語であり、作中でも所々にスペイン語が使われている。

さて、「ジェントリフィケーション(gentrification)」という言葉をご存知だろうか?
これは、都市の再開発により、高所得者が転入し家賃や物価が高騰することで地元民が暮らせなくなる現象のことである。舞台となっているワシントンハイツもジェントリフィケーションの問題を抱える。そして、住民が想像していた以上のスピードで問題が深刻化しているのである。映画の最後に出てくる「Carnaval Del Barrio (近所からカーニバル)」は、みんなで集まるのが今日が最後になってしまうかもしれないので今この瞬間を楽しもうという意味が込められた歌となっている。
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