あの俳優オダギリジョーの長編初監督作品、しかも名優の柄本明が主演となれば、興味津々となり・・・なるほど、そう来たかと見終える。
描かれるのは、文明の波に直面した山あいの村の、渡し船の船頭にまつわるドラマで・・・奇譚っぽく展開させ、派手さは全くないので、好き嫌いは別れるかも。
そう、人間の生き方に対する台詞が随所に散りばめられ、原風景の自然の映像美にこだわり・・・今村昌平監督や鈴木清順監督あたりを彷彿させ、やはりかなり映画を見まくって来たんだなぁと思わずニンマリ。
そんなラストも味わいがあって、季節柄もあり、水墨画を見る様にしみじみと眺めてましたね。
俳優陣では、まずは柄本明・・・流石という演技を存分に披露してます。
村上虹郎に永瀬正敏に橋爪功がきっちり芸達者ぶりを見せ・・・そんな中で新人の川島鈴遥が堂々の存在感。
さらには、浅野忠信や蒼井優に笹野高史らも顔を出すあたりは大いに納得でした。