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ある船頭の話のYAZのレビュー・感想・評価

ある船頭の話(2019年製作の映画)
4.3
オダギリジョー監督作観る

時代の波に乗れなかった船頭と
彼が漕ぐ舟に流れ着いた赤い服
身にまとう少女の話。
クリストファー・ドイル撮る風景
と静止画のような構図の美しさで
そこそこ満足なあっという間の
137分でした

橋の建設、少女の出現
何十年も繰り返されたトイチの静かな
日々のリズムが少しずつ崩れてゆく。
必要なモノと不要なモノ
無常感と輪廻転生

出身地の村での殺害事件
少年だか少女だかが姿消したという噂。
彼女が身に付けてる赤は何かの暗示に
も思える

理由は違えどこの世に居場所を失った
感のある二人の行く末は一つの比喩的
な表現のようです
川が異空間への入り口として使われる
のは古くからの手法なのでそう見えて
しまうのも致し方ないかなと

誰にでもいつか来る自分の始末をどう
付けるかと問いかけられてるようでも
あります
最後までブレない細野晴臣演じるマタギ
は見事としか言いようがありません

音楽坂本龍一かな?とも思いましたが
ティグラン・ハマシアンというアルメニア
のジャズピアニストでした
撮影と音楽が良ければ間違いはないかと
強引ながら思っております
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