オダギリジョー監督作品。錚々たるキャスト、スタッフ、受賞歴に期待して観た。
ウォン・カーウァイと組んでいた頃のクリストファー・ドイルとはまた違って、静かなカメラワーク。ただただ美しい絵画的な構図にうっとりする。日本の自然の美しさへのこだわりは、海外への発信を意識してか。
しかし脚本が粗いのだろう。台詞が入ると興醒め。シーンの繋がりが弱く、急にいろいろが作りものめいてくる。メッセージには共感するものの、ボイスエフェクトとか、フラッシュバックとか、「こういうのやってみたかった」が前に出すぎた感。もう少しシンプルに、佇まいで語ることができなかったか。そういう役者さんが揃っていただけにどうも残念。