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ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜のmomicoのレビュー・感想・評価

4.6
舞台は1960年代のアメリカ。
人種差別が色濃く根付く南部、ミシシッピ州。ケネディ大統領の時代。
思い出したのは、先に鑑賞した『大統領の執事の涙』。
時代の変遷と共に時の権力者のもと生きてきたセシルの生きた時代と重なる。

同じ時代背景、同じ使用人という立場でも、こちらは民衆の中で戦う黒人たちの物語。
身分の低いモノとして、人として認められ扱われることはない。給料が最低でも、自分の子供を育てられなくても、トイレが別々でも、それが当たり前。ホワイトハウスとは比べ物にならない露骨な差別の数々…。
いまでこそ目を見張るものがあるけれど、映画よりも酷いことが現実には沢山あったのだと思うと、無知な自分が恥ずかしく、当時を思い胸が苦しくなった。

エマストーン演じる白人女子大生スキーターと、母親くらいの年齢の黒人メイドたち。
真逆の彼女たちが「HELP」という暴露本出版のためにひとつになるー。

異なる文化に飛び込んでいく行動力、常識を疑う冷静な視点、信念を貫き通す姿勢、自分と仲間を信じる気持ち、、
沢山の小さな勇気が生んだ奇跡は、フィクションだけど胸にこみ上げるものがあります。

彼女たちの真っ直ぐな瞳や、表情のひとつひとつが、とても印象的だった。
オススメです☆
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