小原ブラス

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜の小原ブラスのレビュー・感想・評価

4.2
1960年代の黒人差別に立ち向かうために、黒人メイド達の暴露本を発表するお話。

10年ほど前の作品だが、黒人差別を扱った作品としてかなり評価も高く、各所から絶賛されているようだ。良くも悪くもこの映画が10年前の映画だと感じる。恐らくこれが今年公開されていたら賛否あったのではないか。

黒人差別を扱い、黒人が主役であるべき作品なのに、主役はおてんば白人女?結局黒人を救うのは善良な白人!?そんな点で賛否がわかれそうだ。そのように感じるのも、この10年でまた1歩進んでいるからなのかもしれない。

個人的には賛。なぜならあらゆる差別が、差別を被る側の声や勇気だけで解消されてきていないのは事実だからだ。女性差別は男性の理解者がいてはじめてことが進んだし、LGBT差別もアライの存在が大きかった。結局は力のある理解者の存在がないとどうしようもないというのが、社会に蔓延る差別問題の罪深さなのだ。

忘れてはならないのは、今作を見ている時に「こんな胸糞悪い差別が当たり前だなんて、この時代どうかしてるよ!」と怒る気持ちを、きっと50年後の未来人が私達に抱いているのだろうということ。私たちにとって当たり前の何かがきっといつか当たり前ではなくなる。さてそれはどんなことかな。「人として当たり前」とか「常識として」という言葉を多様する人ほど怪しい。

関係ないが、メイドさんのフライドチキン美味しそうすぎて観ながらケンタッキーUberしました。
小原ブラス

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