ミルクプリン

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明のミルクプリンのレビュー・感想・評価

4.4
最初は、絵柄からして「ほんわかアニメかな?」と思っていたので、終始灰色のこの作品は衝撃的だった。私はグロいのが苦手で痛いシーンは目も耳もシャットダウンしていたけど、その不快感をはるかに上回るくらい興味深い作品。
これはただの主人公の冒険と成長の物語ではない、魂と身体についての話。具体的に誰を指すかは明記しないが、例えば物理的な身体は存在するものの原型がなく自我のない身体にまだ魂は残っているのか。他には、絶対的な身体を持たない魂、(自分の)魂を持たない身体(これは予想)など。日本のアニメにはこれをテーマにするものが多いらしく、本当に面白い。とっておきは主人公が託されたあの白い笛だと思うが、あれは魂を持たない誰かの身体の一部ではないかと予想している。
あと、最初から最後まで音楽が最高です。アビスの世界観を完全に表しており本編終了後もスタッフクレジットの終わりまでアビスの世界に没入していた。
ファンタジーだけど、もし自分や大切な人が植物状態になったらこういう決断するのかな、とか実際に起こりうることも想起させた。次回が楽しみです。
ミルクプリン

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