popo

王様になれのpopoのレビュー・感想・評価

王様になれ(2019年製作の映画)
4.0
正直そこまで期待せずに見に行ったんだけど、これは舞台挨拶でさわおさんも言ってたことだけどとりあえず「ちゃんと映画になってた」と思った。
内容としてはピロウズの生き様というよりはピロウズを好きになった男の子の話という感じ。

これもさわおさんが言っていたんだけど、「自分たち自身のことは音楽なりライブ映像なりで記録が残っていたけど、自分たちを好きになってくれたファンのことを映画という形で記録に残そうと思った、いろんなファンが居ると思うし、映画にする上で都合の良いストーリーになっているとは思うけど、ピロウズのファンのことを記録に残そうとしたということだけわかってほしい」というようなことを言っていて、まさにそんな感じの内容で、前半の主人公がピロウズにハマっていく様子なんかは特に自分のことを見ているようで恥ずかしい気持ちにもなったり。

本人ではなくファンを描く、とは言いつつもピロウズのファンって(ピロウズに限らずかもしれないけど)ピロウズ的な精神で生きていると思っていて、この映画の主人公の物語も負け続けの人生だけど、必死にやりたいことのためにあがいて(その中でピロウズの音楽に出会って支えられながら)、何とかもぎ取る、というような流れにとてもピロウズのスピリット的なものを感じて説得力があるとあった。説得力というか納得感というか。

悪く言えば青臭い感じがあるんだけど、それもピロウズらしさと言えばらしさだし、見ていてやっぱりピロウズの音楽を聴いている時と同じような、俺はダメなんだけど、この世界はクソなんだけど、それでも折れずに何とかやっていくんだ、という気持ちで満たされて、ああ、これはたしかにピロウズの映画だなと感じることができた作品だった。
popo

popo