このレビューはネタバレを含みます
自分がもし70年代生まれだったら、この映画は自分にとってのノーウェイホームだったかもしれない。
近年頻出する偉大な作品のその後の話。個人的にはようやくクリードに続く成功例に。
本作はゴーストバスターズを題材にした青春ジュブナイルです。前作、前々作がホラーに見せかけたコメディ映画だったように、本作もジャンルの転換で客を驚かせます。
主人公は中年のおじさん四人組ではなく学校やバイトに勤しむ子ども達。舞台は大都会NYではなくオクラホマの片田舎。ゴーストバスターズの看板だけを引き継いだ別物かと思いきや、この物語は確かにゴーストバスターズの血が流れています。画面に映る絵はかけ離れているのに物語のプロットが1984年のゴーストバスターズをなぞるのは偶然ではないと思います。本作はゴーストバスターズシリーズ自体に最大限の敬意を払いつつ、同じ物語を全く違う視点、現代的な視点から語り直すある種のリブートとも言えます。
終盤にかけて語りたい多くの要素が怒涛の展開で流れ込み、若干ストーリーは詰め込みすぎた気もしますが、それだけ製作陣がこの作品に並々ならぬ思いを込めたことが分かります。
最後の最後にはビルマーレイ自身に「あの時のあれ、ちょっと不謹慎だったね。ごめんよ。」と言わせてしまうキレの良さには感嘆するしかありません。
亡きイゴンからフィービーに意志が継承されたように、ゴーストバスターズというコンテンツは次の世代へ継承されていく。そんな確信を持てる作品でした。