シバザキ

ゴーストバスターズ/アフターライフのシバザキのレビュー・感想・評価

4.2
 ちゃんと遺産(レガシー)を大事にしている。2016年版を無かったことにしてしまったような作り方には疑問だけど、オリジナルシリーズを踏まえつつも今の世代に受け継ぐ大事さもそれはそれでわかるような映画にはなっている。そういう外野の要素抜きで一本の映画としてはすごい面白い。

 ゴーストバスターズシリーズの正統続編ということですが、今までのシリーズの逆をついているような描写が見られたのはよかったかな。舞台はNYから田舎町に移り、草の中や閑散とした街中を突っ切るゴーストキャデラックや、デカくて大胆な破壊をするマシュマロマンが小さくて複数でそれぞれが結構残酷なことをしたりと今までは見られ無かったシーンがほとんどだったのはちゃんと製作者が過去シリーズだけに囚われないようにしていると感じた。現代の技術を用いて効果的にチープなCGを使っているのもよかった。ゴーザの使いのモンスターが着ぐるみ的な動きをしていたりプロトンパックから出るキャプチャレーザーもレトロで感慨深い。あの有名なテーマソングをなかなか流さないのも安易に逃げず覚悟が見える。
 草を突っ切るキャデラックのシーンとモンスターがウェルマートから飛び出してくるシーンは予告にもあったけど個人的にはすごい好き、あと地面にしかけた大量のトラップが一斉展開するシーンも派手でよかったね。

 キャストもよくて、主人公のマッケナ・グレイスもよかったし、ヒドい目に会うことで輝きを増すポール・ラッドが相応にヒドい目にあっていたのでそれだけで見る価値がある。『ストレンジャー・シングス』でゴーストバスターズのコスプレをしていたウィン・ウルフハードが正式にゴーストバスターズになったも眼福でしたね。でもレジェンド勢の再登場は少々強引に感じた。あれはちょっと制作スタジオの意図を感じるな。まぁそれはそれでいいシーンになっていたのでよかったんですけどね。

 都会の中が舞台のレトロな映画を田舎町が舞台の現代にして撮る、というロジックで何かの要素がプラマイ0になっている気がします。ゴーザとの対決ではまんまスター・ウォーズでありハリー・ポッターでありましたが、血統とか親と子がテーマの作品のラストバトルはアレにしなきゃいけない不文律でもあるのか?
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