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レオンのますのネタバレレビュー・内容・結末

レオン(1994年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ジャン・レノがとにかく渋カッコいい。冒頭シーンではいきなり大人数相手に殺しをやるのだが、私にはホラー映画のワンシーンにしか見えなかった。そんな風にヒッソリと数多の人間を屠ってきた彼だが、私生活は真逆。マリア像が置いてあったり、"窓辺の植物は唯一の友人"と称して毎日霧吹きをかけていたり、牛乳がやたら好きだったり。あと時々見せる、口を半開きにしてぽけ〜っとする表情なんか、外見とはそぐわない"子供っぽさ"が垣間見えるようでツボだった。実際彼も"俺はまだ子供。これから大人になるんだ。"と言っている。やはりこれは、最愛の女性を殺されたことをきっかけに、19にして殺しの道に入ったためだろう。"傷つかないために、もう大事な人は作らない"と、殻に閉じこもった彼の内面は19のあの日で止まったままだった。
けれどマチルダの無垢な愛を受け、彼は変わっていく。それを怖くて拒み続けた彼が、もう逃げ場がない状況になってようやく初めて、愛してるとはっきり言ったあの場面は、本当に切なかった。
確かに死亡フラグはレオンが立てていたけれども。律儀にそれを回収しようとするスタンフィールド。ハリポの時はあんなにも素敵なおじさんだったのに、この作品ではただただ恐ろしいおじさんだった。特に人を殺す前にカプセルを口に含む仕草は、本当に怖い。あの演技の仕方は彼が考えたのだろうか?いや、ちょっとした仕草のはずが、本当に怖い。
そしてマチルダ...18歳だと言っていて違和感はあったけれど、実は12歳だったなんて。けれど歳に似合わず壮絶な人生を経験している。ちょっびり下品な言葉遣いだったり、タバコを吸っていたりと、家庭環境から悪影響を受けていた彼女だが、黒の瞳が本当に綺麗で、レオンに向ける眼差しはいつでも純粋そのものだった。子供ながらの素直さと大胆さで、レオンへ愛を恥ずかしげもなく伝えられる所は羨ましくもあり、同じ女性から見ても、12という年齢に関わらず、とても魅力的に見えた。前髪ぱっつん&オカッパが、あんなにキュートに見えるなんて。恐らく世界で一番似合う人だと思う。
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