Yuri

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのYuriのレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
4.2
原作読んでます。映画は登場人物たちの人生がクロスする一定時期を切り取った形で描かれているので、描かれていない彼らの人生に想いを馳せることが出来る、重く前向きな余韻が残る作品でした。類似経験のある方はフラッシュバックするので、気をつけて下さい。原作もそうですが、随分フリーダムな閉鎖病棟で、本当に精神科医が書いたとは思えないくらい( ; ゜Д゜) 昔の精神病院の雰囲気なのかな?あれだけ看護師もつけずに色んなところを行き来出来たら、そりゃ事件も起こるわと思いました。病院側の管理責任を訴えられたら絶対負けます(>_<) 一人の大人として真面目に生きてきた人がある日突然、それが出来なくなる。周りから敬遠されるし、確実に治る治療法はない。そういう意味では、チュウさんの立場に一番共感しました。原作は、何ていうか綺麗事のように感じてしまったのですが、映画は生身の人間のそれまで積み重ねてきた人生の重みや痛みが、優しいけれど、強く描かれていて、由紀の咆哮に、秀丸の涙に、再び歩み出した一歩に、感情をグッと持っていかれました(;_;)重宗(渋川清彦)の人生さえも琴線に触れる、俳優陣の演技が秀逸でした(*^¬^*) チュウさんと由紀の間にある感情が浅めだったので、山登りのシーンは欲しかったです。絵的にも映えるし、ターニングポイントなシーンだと思うので。幾度となく打ちのめされた人たちが、バラバラになった勇気や力を振り絞って、再び歩み出す、清々しい夜明けのような作品です(*^^*)
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