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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのjocxのレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
4.0
最初から衝撃的なシーンから始まる。生きているけれど、世間には存在すらしていないような精神病院。様々な事情を抱えた人が静かに暮らす。そこにいることでしか生きられないかのように。家に帰りたいと思う者もいれば、家に帰れない者、敢えて居場所を見つけた者、様々だ。ここにいる患者と普通に生活している人と何が違うのか?由紀ちゃんの親、ヒデさんの妻、痴呆の母、シュウさんの家族、酔って由紀ちゃんにあたる飲み屋のお姉さん、誰もが紙一重で、境界線を引いているのは世間の思い込みなのではないか?と考えさせられた。
思い合って生きればそこに家族ができるのかもしれない。生きる力なんて信じてくれる人が1人いれば生まれ変われる。よく出来た映画なので細かい所は気になるが、役者が素晴らしい。小松菜奈さんが一皮向けて新たな境地を開いた。鶴瓶さんと綾野剛君は引き込まれる。それだけに綾野剛の妹役の演技力が素人並み、他にいなかったのかな。観て辛い人もいるかと思うが、心の底に響く映画。
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