プリティ真夏さん

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのプリティ真夏さんのネタバレレビュー・内容・結末

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

小松菜奈さんが好きなので、ひいき目に見てるかもしれません。

開始すぐ、当たりだと感じました。閉鎖病棟の雰囲気がとてもリアルだったからです。主役の3人もそうですし、他の患者さんの演技がすごいです。

性的虐待、レイプの被害後、街をさまようゆきの表情が悔しそうで悔しそうで、でも、ああこの子は生きていけると思わせてくれたのがとても印象に残っています。
(この映画の紹介において、性的虐待をDVと表現するのは違和感があります。経済的にも法律的にも弱い立場の子供に対する暴力であり、質が異なると思います)
裁判所に現れたゆきは、雰囲気も変わっていました。

鶴瓶さんの役は一見、良い人に思えますが、実際は妻の不貞で3人を殺害し、復讐のために他の患者も計画的に殺めています。
クールに見える秀丸もまた、パニック障害?を患っています。
そんな人間の不完全さ、二面性が描かれていました。ゆきが生き続けていくことを選択できたのも、そういう人間の不完全さゆえのような気がしました。

それぞれの朝は、病院を退院してからというのが象徴的でした。病院は病気を治すところ、本来は終の住処ではない。退院に至らなかった人たちのことを思うと、居た堪れない気持ちになるし、ある意味残酷な展開です。

出演者一人一人の役に対する真摯さが伝わってくる映画でした。

ただ一つ、この病院の管理体制、大丈夫なんですかね、、病院内での事件や、精神疾患があるかも不明な患者の入院、、問題が山積しすぎて、現実感がなく気になりました。