Monsieurおむすび

さようならが言えなくてのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

さようならが言えなくて(2017年製作の映画)
3.2
EUフィルムデーズ2019にて。

故郷の田舎町に父と妹を残し、都会でキャリアを積み、自由に暮らすカルラ。

疎遠だった父が病気で残り少ない命と知らされ故郷へと帰るカルラは家族との空白の時間を埋めていこうとする。。。

感動が待っていそうなプロットなのに、描かれるのは、お互いを思いやりながらも自分本意に振る舞ってしまう家族のディスコネクト。
もどかしくて、苦しくて、しんどかった。

其々が自分の状況を受け入れる事ができないが為に、周囲の人の事も受容する事が出来ない負の連鎖。
積み上げられていく歪みが招くラストは悲劇的な馬鹿らしさなのに、これまでの過ちとは比べものにならない悔恨が待ち受けている事は容易に想像できる。

少ない台詞と情報から、この家族の「これまで」を醸し、想起させる3人の役者の演技は素晴らしかった。
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