シオ

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のシオのレビュー・感想・評価

4.9
【転記】
使われる爆薬量と反比例するかのように、透徹した静寂を湛えた画面。劇的なものはなく、カメラが追っていた人物でさえ死を脚色されることなく、知られることなき、英雄「ではない」存在をとても真摯に映し出していた作品。
泥塗れの兵、肌を染める赤い血、薄青い雪、黄金色の麦の穂。目を打つ色彩の雄弁さ。
「我々は戦い抜いた!頑張った!正義だった!」と正当化を図るような締め方だったとのレビューも目にしたけど、そんな締め方はしていなかったと私は思う。
感想は人それぞれだからこそ、あの虚しさの中の一握りの未来、「誰も傷つけていない」子どもの眼差しをもって、そんな風には感じられなかった。と、私は記録しておきたい。
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