アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場の作品情報・感想・評価・動画配信

「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」に投稿された感想・評価

taka

takaの感想・評価

4.2
ずっと気になってた作品
せっかくなので限定上映という180分長尺版を
(ディレクターズカット版の項目もあるがあえてこちらに)


WWII時のフィンランド対ソ連の"継続戦争"が舞台
最前線の苛烈な攻防の臨場感がハンパない
爆発での耳鳴りやこもった音も効果的でひたすら銃声が鳴っている
更に美しい自然と容赦無い破壊との対比も戦争の惨さを強調
音楽も勿論素晴らしい

フィンランド軍少尉や小隊長、狙撃兵ら数名がクローズアップされる作り
森林戦、雪原戦、塹壕戦、防衛戦どれも丁寧に描写され見応えがある

途中から合流した補充兵は洒落が効いていたが、命をかける兵士としての切実な願いを込めた祈りは胸に刺さる
ここに兵士と家族たちが重なる見どころシーンの一つ


ドキュメンタリーぽくもあったが最後に挟まれる実際の映像の重みにはやはり敵わないのかもしれない
ソ連との停戦放送は日本でいう玉音放送
今までの戦果があってこその講和だけど、死んでいった者たちを思うとやるせなく悲しい
イヤでも今のウクライナ情勢と重なるし、国の為に戦えるかを問われている様で居心地も悪くなる

この映画がきっかけでフィンランド、ソ連、ナチスドイツが複雑に絡む背景を勉強出来たことが何より収穫
ソ連と講和後も元同盟国ドイツと更なる戦闘が・・


48分の追加だけど要らないシーンは無かったと思う
後に通常版も見たがテンポは良いものの少しライトに感じてしまう
女友達に見守られながらのHや帰宅時の全裸サウナはデフォだったのね笑

"英雄なき"というけど皆英雄だと思う、特にロッカは!
寿司も生きてるといいね
ワンコ

ワンコの感想・評価

4.5
【ナショナリズムとは何か】

この数年に及んだ”継続戦争”のフィンランド兵士の戦いや戦場での日常を見つめ、一体、人は何のために戦うのか、何のために戦うことが出来るのか、それはナショナリズムなのか、違うものなのか、そんなことを考えさせられる作品だ。

フィンランドは、ソ連との冬戦争で国土の約10%をロシアに譲り渡すことになった。
スターリンにとっては、ソ連第2の都市レニングラード(現在のサンクト・ペテルブルグ)までの国境からの距離が近いことから、フィンランドに領土を交換しようと持ちかけ、さまざま条件や難癖をつけて、受け入れられないと分かると電撃的にフィンランドに侵攻して、領土を奪取してしまったのだ。

しかし、その後もフィンランドはソ連の脅威を感じており、第二次世界大戦で、他国の支援を得づらくなったことで、ナチスドイツから武器を調達したところ、再び、両国の関係は先鋭化し、”継続戦争”と云う形で戦うことになってしまう。

ただ、フィンランドも冬戦争のソ連の電撃的な侵攻を経験していたことから、周到に準備は行っていて、更に、この作品にも描かれているように、最初はフィンランド軍がよく戦い、一時は失った領土を回復するなどし、結局は領土回復は諦めざるを得なかったものの、戦争の物資や人的被害については、ソ連側がフィンランドの3倍もあったと言われている。

この作品で描かれる物語では、開戦当初は、兵士たちも愛国心を掲げていたが、戦況が悪化し、撤退を余儀なくされる段階で、次第に兵士の気持ちにも変化が生まれていく。

唯一異なったのは、ロッカで、当初から、お国のためなどとは考えておらず、家族や、ソ連に奪われた自分の土地を取り戻すために戦っていた。祖国のために戦ってなどいなかったのだ。

こうした愛する人や家族のために戦い、生き残らなければならないことの意味と重要性を次第に理解していく仲間の兵士達に対して、祖国のために命を賭して犠牲になることを厭わず戦うように促す上官。

家族を想い、更に生き残ることが必須のはずのロッカが、仲間を助けるために川で銃撃を受ける場面は象徴的だ。
人とは本来こうしたものなのではないのか。

こうして、もともとの想いとは関係なく、人は倒れ、死んでいくのだ。

それが戦争なのだ。

今のウクライナと重なる人も多いに違いない。

ナショナリズムを吹聴する士官は実際には戦わず、家族や愛する人を守ろうとする兵士が前線で戦い傷付き、命を落とす。

侵攻する、守るに関わらず、戦争とは実はそんなものかもしれないとさえ感じる。

ウクライナ戦争を目の当たりにして、敵地攻撃能力とか、防衛費増額とか、そんなことばかり言って、プーチンをファーストネームで呼び合う仲としていた安倍晋三は、プーチンと話そうともしない。こんな輩に一番注意を払う必要があるのではないだろうかと思わせられる。
hana

hanaの感想・評価

3.5
全体的に映像が美しかった。
戦争映画に見慣れてないだけかもしれないけど、過度に派手な演出がなくて、泥臭く、鉄砲や爆弾を使って地道に詰めていく様子がリアルに感じた。移動も徒歩だし、ただの殴り合いの喧嘩の延長みたいに見えて、なのに人が簡単に死んでいって怖かった。

誰か一人の人物に肩入れするような(その人だけ運よく助かり続けるとか、まわりの人がモブキャラに見えるような)演出もあまりなくて、複数人の背景を平等感に描いていたから、不特定多数の大切な命が消えていく様子がリアルでむごかった。
momonomama

momonomamaの感想・評価

4.0
2017年 フィンランド
監督 アク・ロウヒミエス
エーロ・アホ、ヨハンネス・ホロパイネン、アク・ヒルヴィニエミ

辛い映画やった。
フィンランド映画って観たことないかもしれないなぁ、それも戦争映画。
これはフィンランドの辛く悲しい冬戦争から継続戦争の頃のお話。
冬戦争で領土の東をソ連に奪われたので取り返すために戦った継続戦争。
それはそれは辛く2年以上も前進しては後退してって戦い。
主人公と呼べるのかな?ロック(エーロ・アホ)は予備兵として呼ばれた経験豊かな伍長。上司には若い出世コースを歩く少尉さんがいて、、
「あんたは出世したいんだろうけど、俺は奪われた農地を取り戻したいだけ」ってスタンス。超優秀でめっちゃ活躍するけど軍の規律を守れない。だって出世したいんじゃないんだもんね。

何ちゅうかハリウッドみたいなドラマ性が全くなく、たんたんと戦いが展開されるだけなのでめっちゃリアリティある。
川を泳いで逃げるシーンではカメラも川の中に入ってるし、なんだかドキドキする。ついつい前のめりで手を握ってしまうシーンが多かった。

最後まであまり出演者の顔を覚えれなかった(笑)
それだけリアリティあったってことね。

フィンランドはずっと日和見国とかって言われてたけど、仕方ないよね。怖い怖いロシア(ソ連)との間にすっごい長い国境線があって、いつまた攻めてこられるかわかんないんだもの。
日本もふと考えると同じ状況なんだけど、日本って、、、平和やなぁ。
戦争は誰も幸せにしない
だけど、守らないとならないものもある

なぜ、NATOに加盟を急ぐのか、なんとなしに伝わってくる
もり

もりの感想・評価

3.2
何人かの背景描写はあるけど、掘り下げが丁寧なわけではなく、ずっと戦闘シーンが続く感じ
爆破とかの迫力はある
Yasu

Yasuの感想・評価

2.5
フィンランドの継続戦争を題材とした戦争映画。先行する冬戦争と継続戦争について知れたのは良かった。
淡々と戦争の無意味さ、理不尽さを伝えるのが主眼だと思うが、映画としてはそれ以上でもそれ以下でもない感じ。
2022年のこの時期に観るにはリンクしすぎるフィンランドの歴史に沿った戦争映画。すごく良かった。観ているこっちが疲弊するほどよく出来てる。しっかりとした映画の画作り。このアスペクト比をここまでしっかりと生かせている映画久々に見た。一人の兵士に絞るのでなく部隊を描きながら戦争を描く手腕は見事。途中に出てくる教師の女性が凛と描かれていて目を惹かれた。観る時は絶対に字幕版をおすすめする。
久しぶりに硬派な戦争映画見ました。ロシアがウクライナに侵攻している今、兵士は何のために戦うのか、戦って得るもの、失うもの価値や意味を考えさせられる話でした。
camuson

camusonの感想・評価

3.5
2017年のフィンランド映画。amazon prime video視聴。
原作小説は未読です。原作は1955年と1985年に映像化されていますが、
いずれも未視聴です。

1939年にソ連がフィンランドに侵攻した「冬戦争」で失った領土の回復
を狙った「継続戦争(第二次ソ芬戦争)」を扱った作品。

領土の変遷を示す地図が挿入されるのと、
日時と場所を示すキャプションが入る以外は、
背景等がわかるような説明的描写はほとんどなく、
戦場の兵士の視点で、過酷な戦況を臨場感を持って描写しています。

最近の戦争作品は映像機材の発達やデジタル化の影響で、
いずれも映像が美しいものが多いですが、
本作も御多分に漏れず、戦地の大自然の映像が美麗です。

我々がよく見る戦争映画というと、ベトナム戦争や太平洋戦争などになり、
亜熱帯のジャングルのイメージが強いですが、
寒冷地の戦場は、また違った趣があります。
雪が降ると兵士も白装束となり、ガラッとイメージが変わります。

戦争映画を見る一つのメリットとして、その土地の地形や気候条件を、
否が応でも感じることができるというのがあると思いますね。
道なき自然の中を広域的に移動する描写って他にあまりないですから。

殊勲を上げると休暇がもらえて、
家族が待つ実家に戻って、麦の収穫を手伝ったりするなど、
つかの間ながら牧歌的な一面もあって、
これもまた趣があるなと感じました。
>|

あなたにおすすめの記事