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二ノ国のmleeのレビュー・感想・評価

二ノ国(2019年製作の映画)
2.0
子供の頃好きだったドラえもんの映画を、大人になってからレンタルで観たことがある。確か「のび太の魔界大冒険」。もしもボックスでこの世界を魔法が使える世界にしたのび太たちが、色々あった末最終的に魔王に立ち向かうといったストーリーだった。子供の頃観た時はあんなにワクワクドキドキしたのに、大人になってみると同じ感動は味わえなかった。「あれ?こんなもんだっけ?」と。

二ノ国の感想で「2時間の拷問」と評していた人がいた。その評価を見て行ったお陰か私はそこまで酷くは感じなかったが、上記のドラえもんの時と同じような感じを受けた。何て言うか…肩透かし感?サラサラした砂を掴もうとすると砂は指の間からこぼれ落ちて結局手のひらにはほとんど残ってないみたいな。

よく調べずに観てしまったけど、元はゲームなんだね。そちらの設定というか世界観はしっかりあって、それを借りて無理矢理映画として作ってるから妙な手応えのなさ感があるのだろうか。全体的にやっつけ感というか、ご都合主義というか。誰かの夢を見せられてる様な。脚本と演出が悪いのかな。長編漫画を下手に2時間に縮めたらこうなりそう。もしかしたらちゃんと作ればナルニア国物語みたいな壮大な長編映画になったかもしれないと思うと残念だなぁ。

主演の山崎賢人さんと新田真剣佑さんは意外と良かった。特に新田さんは声優としてもやっていけそうだった。山崎さんはユウという役を掴みきれずに終わったんじゃないかな。これは山崎さんがどうという事ではなくユウという役の設定がちょっとふわっとした役だったからだと思う。あ、そう思うとちゃんと役を掴んでいたって事かな。
永野芽郁さんは……うん、拷問の点があるとしたらここだったかも。ヒロインは普通に声優さんか演技力ある女優さん使えば良かったのに。ヒロインさえもっと良ければ拷問感はもう少し軽減されたかも。

最後に、この映画の1番の見所をお伝えしたい。それは映画終盤にある宮野真守さんの熱のこもった長ゼリフ。この映画に命が宿った瞬間は正直あの時だけだった。声優さんって凄いなぁって改めて感じた。私はあの演技を聞くために1,900円を払ったのだと思うほど。
あのシーンだけもう一度観たい。
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