にゃむ

窮鼠はチーズの夢を見るのにゃむのネタバレレビュー・内容・結末

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

うーーーーーーん
原作ファンです!
映画をご覧になった皆さん、原作を是非読んでください!!!

◎よかったところ
・窮鼠編は120点。完っ璧な今ヶ瀬渉さんでした…かわいすぎる。夏紀先輩とのバチバチもよかった。

・原作とは異なるラストシーン。
恭一さんは、異性愛者であるという自我と、それを抜け出して今ヶ瀬を愛そうとする自分との板挟みになって苦しむ。同性を愛してしまったということが認められなくて、後戻りできないんだと怖い。
一方今ヶ瀬がなぜあんなに情緒不安定(笑)かというと、異性愛者を愛してしまったから。最後には女のところへ帰ると思ってる。だから覚悟を決めるのが怖くて、何度でもギリギリのところで逃げ出すんです。
そのそれぞれの葛藤を、原作では、誰とつきあっても受け身だった恭一さんが今ヶ瀬より一歩先に乗り越えて自ら2人が歩む道を作ろうとするわけですが、映画のラストシーンでもその対比が上手いこと描かれていて、表現方法は違えど個人的にはとても気に入りました。

◎物申したいところ
俎上編は駆け足感が否めなかったですが、
時間的制約を考えると致し方ないか…

・たまきの選んだカーテンを見てダッサイという今ヶ瀬に対して、小馬鹿にした笑いで「だな」という恭一さん。改悪です。恭一さんはそんなことを言う人では断じてない。
たまきちゃんのくだりが、まるで恭一さんがクズだとアピールしたいがための話になってたのは、正直許せない。違うんですよ…

・ハッテン場のシーンいる?

・ただやってるだけのセックスシーンはいかがなものか。
同性愛者と異性愛者の恋愛なので、セックスはめちゃめちゃ重要な意味を持つんですよ。
抱く側から抱かれる側になった(しかも男に!)ことによるさまざまな気づき、その後の攻守逆転、ラストのどうしようもなく溢れ出る欲、全て、恭一さんにとってひとつひとつが大事な展開だったのに…薄っぺらかったなぁ。あそこまでやるならどうしてもっと描いてくれなかった…

・恭一さんが今ヶ瀬の髪を撫でるシーン、たまきちゃんをぼーっと見つめるシーンも、原作の中では恭一さんの心理を表していますが、そのへんもあれじゃわからないですよね…髪撫でるとこめちゃめちゃお気に入りなのに
にゃむ

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