ホーク

フォードvsフェラーリのホークのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.3
優れた人間ドラマと車に対する強い敬意が感じられる作品。

タイトルや予告から想像すると、車がメインテーマの映画に見えがちだが、そうではない。レースで勝つ事だけが全てこ映画ではない。
例えば勝つと言っても、この映画には敵が多い。フェラーリだけでも、ドライバー、フェラーリという会社、そしてその社長だ。それだけでなく、主人公のチームはフォード内での争いにおける敵もいる。
このような”敵”やチームが、それぞれの目的の為に戦い、己の思いをぶつける様子がこの映画の面白さの1つになっている。

車映画といえば、ワイスピが有名かもしれない。派手な音と見た目で何もかも壊すワイスピはカッコイイだけの一辺倒な描写であまり敬意を感じられなかった。
しかし、この映画は異なる。映画内でのキャラクターだけでなく、製作者の熱意が伝わる。どう乗り回し、どう作ればより車で感動を人々に伝えられるかを、言葉そしてレース描写で魅せてくれる。

現実をベースにしたストーリーなので、あまりストーリーに言える事は少ない。
ただ、終盤のストーリー展開はすこし唐突過ぎる気がした。映画なんだから、多少オーバーでも伏線は張って欲しかった。

車というテーマを通じて、人間の熱を感じられる映画。ドラマ・レースの配分も良く、退屈せずに見られるエンタメ作品だった。
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