Shirominn

ナショナル・シアター・ライヴ 2019 みんな我が子のShirominnのレビュー・感想・評価

4.0

おそらくこれが、戦後のリアル。戦争さえなければ、普通の家族だったろう。人を脅し、疲弊させ、狂わせたのは戦争であって、個々人は戦争に狂わせられた人々だ。人々は誠実であろうとする。国のため、世の中のため、家族のため、そうやって自分を殺していく事が正しいと自分を納得させそうとする。たとえそれが正しくないないことをしたとしても、仕方なかったのだと言い聞かせる。そうやって、どんどん狂っていって、最終的にはみんな「自分のせいだ」と思い込ませてしまう。それが戦争。戦争が悪い。

アーサー・ミラーの人間の描き方も、役者陣も、美術も素晴らしかった。忘れがたい一作。観られて良かった。
Shirominn

Shirominn