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ピアッシングのレクのレビュー・感想・評価

ピアッシング(2018年製作の映画)
3.8
殺人衝動と自傷癖、欲望と願望、支配と被虐。
倫理観から外れた利害の一致が齎す愛は狂愛か?それとも純愛か?

倒錯関係が描く妄執への傾慕は脳髄を溶かす劇薬。
淡々とした静謐の中で炙り出される病的嗜好に得体の知れない恐怖が伝染する。
端的に、とんでもない変態映画だ。

滑稽且つ笑止な対極にある2つの視点で見せる俯瞰的な映像が2つの痛みの交わりを映す。
トラウマや性的嗜好、欲望や願望が先入観や思い込みによって上手く転がされる。
この"転がされる"人物が主要人物2人でありながら、観客である我々へと干渉する。

ジャッロのような古典スリラーの雰囲気を借り、ヴァーホーヴェン的変態要素を加味したアンジャッシュのコントのようで、悪趣味に斜め上を振り切った。
もう一度言おう、とんでもない変態映画だ。
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