nile

DUNE/デューン 砂の惑星のnileのネタバレレビュー・内容・結末

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。
これはもうドゥニヴィルヌーヴにしか撮れない作品。

メッセージ、ブレードランナー2049から今作のデューンと来て、静謐かつ重厚なSF映画となったら彼の右に出る者はいないと思う。(大長編すぎるがゆえに眠くなってしまうのはご愛嬌)

リンチ版との違いはたくさんあるけど、個人的に1番良かったのは砂漠。そもそもリンチ版では砂漠の画がそんなに多くなかったし常に複数人が写されてSF映画のわりにはこじんまりとした画だったのに対して、ヴィルヌーヴ版では画面に収まりきらないほどの広大な砂漠をこれでもかというくらい綺麗に撮ってる。キャラクターはポツンと立ってて俯瞰視点で自然をしっかり観せたことでちゃんと砂の惑星が舞台なんだなということが分かるし砂漠という環境の厳しさから保水スーツの必然性が伝わってきた。
特に1番良かったのは終盤でポールに近づいてきた砂虫が離れていくシーン。砂中に潜っていく衝撃で砂が一面に舞い散るんだけど、その時の砂が海の波のように滑らかですごい綺麗だった。というかもう海にしか見えなかった。

予告で何度も観た兵士が上空からスイーッと降りてくるシーンも最高。また、ラストの決闘シーンも命をかけて闘う気高さと部外者だろうと勝者は仲間として認めるというのが民族っぽさが満載で良かった

情報もごちゃつくことなく、SF映画によくある置いてけぼり感もなかったし凄い親切な作りだった。上映時間は長いのにリンチ版でいうところの半分までしかやってない分しっかり作り込まれていたので大満足。原作がかなり難解&大長編らしいので何作かに撮り分けるのは正解だと思う。これから続編が作られていくわけだけど、今後も楽しみ。
nile

nile