HAL8192

DUNE/デューン 砂の惑星のHAL8192のレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.6
基本形SF王道貴種流離譚……ただし物語全体の冒頭が、2時間半続く作品。

本作は有名な古典SFの正当過ぎる映画化で、とにかく贅沢な絵が続く。この映画の10分の1の制作費でも日本なら超大作と言われるレベルだろう。

背景にしっかりと映される砂漠は、ここが異星であるという感覚をしっかりと画面で見せつけてくる。ここまで凝っているのは圧巻としか言いようがない。

長尺で、大切に大切に進んでいくストーリーテリングは、監督が原作を本当に大切にしている事が伝わってくる。

作品の「質」そのものは素晴らしい。しかし視聴している感覚としては「ホビット」や「ハリー・ポッター」のような大型の作品を途中から見せられているような気分になる。あまりにもテンポがゆったりと進み過ぎて、全然話が進まない。

確かに物語そのものは面白いが、前提知識がない状態では物語は中途半端な所で、終わったようにしか見えない。本作は最近流行りの前後編があることは隠すタイプの作品だった。

この作品の点数は難しい。完全に続編がある事を前提した、序盤のみの映画で、貴種流離譚の旅立ちの部分で終わっている。なんとも歯切れが悪い。後半で一気に評価が変わっても驚かないが、今は控えめな評価で止めておこう。
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