ヒュー

DUNE/デューン 砂の惑星のヒューのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.4
"This is only the beginning."

ドゥニ・ヴィルヌーヴが圧倒的な規模で送るSF超大作。果てしなく続く砂の世界、SF好きの心を擽るビジュアルに惹かれずにはいられない。
賛否両論の否の方が多いなという印象だったので期待値も下がってる中の鑑賞だったおかげかめちゃくちゃ面白かった(序盤ちょこっと寝たのは内緒)。笑える場面はないが中途半端なコメディ要素とかは一切抜きのガチガチ重厚なドラマで終始貫いてくれたのはそれだけでかなり高評価に繋がる。用語等はすっかり忘れたがそれ程難解という感じはせず、むしろ超大作の序章ということもあって丁寧に世界観をひろげているようにも感じられたのでな原作、過去の映像化作品などを一切観ていない私みたいな予備知識0の人でもそこら辺は安心して欲しい。未知の用語ばかりだがそれを探っていくのも中々楽しい。

DUNEの原作はあの『スターウォーズ』シリーズに影響を与える程の作品で上述の通り久しぶりに正統派SFを観れた気がします(SWシークエルは予算の掛かったB級映画感が否めない…)。乗り物、建造物がとてつもなくデカく細かなアイテム一つ一つまで凝っていていくらでも深掘りして楽しめそう。敢えて銃よりも剣で戦うのも良い!シールドはカッコいいしアクションもとても見応えがありました。そして宇宙単位での家同士の争いや豪華キャストたちにも容赦ない役をやらせるのは舞台は違えどまさにゲースロでは…(感動)。美術、映像面は文句のつけようがなく最先端を観ているように感じました。音楽もハンス・ジマー御大ということもあって重厚なストーリーに合った重厚な音楽。

批判の一つにあるのが尺の長さ。確かにもっと短くすることもできたと思うけどそれでもやはり壮大な世界を追っている感覚を味わえるという点では自分はこの尺で満足。この大きく広げた世界観をPART2でどのように回収するのか、気になって仕方がない。ヴィルヌーヴ監督ならきっと上手いことやってくれると思うので続編がとても楽しみです。一向に続編製作がアナウンスされない『アリータ』の二の舞にならないように願うばかりです。

このような超大作には欠かせないのが個性豊かなキャラクターたち。公開前興味を持つきっかけとなった豪華キャスト陣は安心感を与えてくれた。特にレベッカ・ファーガソン演じるポールの母親レディがなんとまあ高貴でお美しいこと。それでいてどこかミステリアス。ティモシー・シャラメ演じるポールよりもレディを自然と観ていた(笑)。あとはモモアマンのダンカン氏の超絶イケメンっぷりの虜になりました。『アクアマン』の少しかわいい所がない分カッコよさ倍増じゃないですか。
それに実を言うとティモシー・シャラメはまったく好きじゃないんですがポールはかなりのハマり役ではあったと思いました。ただキャラに関してはもうひと押し、もう少し魅力的なキャラクターたちを観たかったなと…。なおハビエル・バルデムは最後まで気づきませんでした(苦笑)。PART2では更なるキャラの深掘りと新たな豪華キャスト陣も期待しちゃいますね。

今作はぜひIMAXで砂の1粒まで堪能していただきたい芸術的SF作品ですね。あ、ちなみにパンフレットには詳しい用語解説等が載っているので観賞後購入するのがオススメです!恐らく私はこれで今年の映画館納めとなりますが、締めがこれで大変満足しております。続編のためにもぜひ映画館に足を運んでご覧頂きたい!!!
ヒュー

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