マーボー

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのマーボーのネタバレレビュー・内容・結末

2.6

このレビューはネタバレを含みます

ネトフリにあったので自宅学習期間に鑑賞。
自分がⅤやったのはもう2年ぐらい前なんでゲームの方は色々忘れてるので悪しからず。

言われるほど悪い映画じゃないね。
個人的には叩かれ過ぎだと思う。

良かった点
まず映像が綺麗だね。ゲームらしいCG感とアニメ感がいい感じにブレンドされてる。たしかにこう言う世界で冒険してみたいなぁ~って思う。

あとアクションがスピーディーでいいね。新ダイ大も観てるからつい比較しちゃうんだけど、あちら以上にフルCGという土壌を生かしてド迫力のアクションが出来てる。
戦闘も飛び上がってバギマ→怯んだ隙に剣撃って感じで上手く流れに組み込まれている感じ。
さすが白組といった感じ。
このCGをもう少しリアルに寄せれば仮面ライダーとかでもMCUみたいな戦闘シーンが出来るんじゃないかって期待してる。

終盤ブオーンとラインハット兵が加勢する展開もベタだけど好き。ヘンリー王子が終盤まで活躍してくれたのは結構うれしい。

問題は脚本と演出だな。

色々気になるところを。
・少年時代のダイジェスト感が半端無い。一応「少年時代はスキップする」って設定にしてたとはいえ、それはあとだしだし。
少年時代に一緒に冒険したからビアンカとの結婚に繋がるって言うのに、そこがないせいでイマイチビアンカとの結婚がピンとこない。

・結婚のくだりのやり方。フローラからビアンカに移らせた理由もわからないし、わざわざフローラにプロポーズさせたあとにやっぱりビアンカってのは都合が良すぎる。世間的には「ルドマンさんに追い出された」って事になってるとはいえ速攻でビアンカにプロポーズしてるリュカを祝福するとか、この町は町ぐるみで尻軽かいっって。
せめて
「フローラにビアンカが好きだと打ち明ける」
→「フローラがルドマンさんを説得してビアンカとの結婚を許す」
とか
「フローラと結婚しようとしていることをビアンカに打ち明ける」
→「盗み聞きしていたフローラがビアンカの心情を察してリュカに告げる」
→「意を決したリュカがプロポ」
って展開しすれば良かったんじゃない?わざわざリュカを悪者にする必要なかろうに。

・音楽やSEの使い方。
旧ダイ大アニメとかもそうだけど、ゲームの曲をアニメに使うのはあんまり好きじゃない。というか合ってないと思う。
それに序曲とか乱用するせいで特別感がない。まだオープニングの冒険シーンは良かったけど、そのあとはやり過ぎ感。天空の剣にスピーカーがついてて、そこから流れてるのかよって。

あとアイテムゲットやレベルアップ、呪いのテーマ、黒バックに白ドットのメッセージウィンドウを使ってるせいでなんかパロディものみたいになっちゃってる。

せっかく思いきってキャラデザ変えたりストーリーも変えてるのに、変なところゲームに固執しちゃってて……

上記の旅立ちと天空の剣の抜刀、最終決戦、エンディングの4回に絞って、あとは新曲でもよかったな。

・そもそもラストシーンの蛇足感
よく叩かれる「早く大人になれ」ってやつ。あくまでヴィランが言ってる事で、リュカはちゃんと否定したうえで「例えゲームでも、あの仲間たちとプレイした時間は大切な宝物だ!」って反論してたから特別悪いとは思わない。
というかこればっかしは叩く側が悪い。これの「大人になれ」の方を切り取って叩いてるってのは言うなれば「MCUは大虐殺を肯定している!」「はぐプリは未来に希望は無いって言ってる!」って言ってるようなもんだよ。
でもそれのやり方にも難ありで、
そもそもそのネタはポッと出だし、ウィルス送ってきた奴の目的も動機とかも全く出ないし。
それこそそのネタをしたいんだったら既存の作品じゃなくて完全新作の話でやるとかさ。まだDQ1みたいなシンプルなストーリーを1時間やって、そのあと30分かけて↑の話をやるとか。
たしかに取って付けたような演出じゃあ批判殺到だな。
でも批判派も主人公の返答を省いて言い散らかすのはよくないよ。


ファミリー向けではあるけど原作ファンとか高年齢向けではないなぁ。

原作をⅤではなくシンプルなⅡあたりにして、もっと原作寄りなストーリーにして、最後をなくしていればいればもっと良い作品になってたんじゃないかな。
言いたいことは悪くないんだけど、最後の展開はやっぱり蛇足。