ゆうすけ

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ラストにある有名などんでん返しだが、その試み自体は面白いと思うのだが、あまりにも展開が唐突かつ設定が雑すぎて、失敗していると感じた。これをやるのならもっと序盤から伏線を仕込み、観客に違和感を与えておいてそれを解消する形でやらなければならないし、ウイルスや犯人、ワクチン(ってなんだよ)あたりの設定に緩みは許されない。制作陣がもっと丁寧な仕事をしていたら、ここまでの酷評の嵐にはならなかったと思う。そもそも「ゲームは子供がやるもの」という価値観自体が30年くらい前のもので、92年発売(おれが小6のころだよ)のドラクエ5をリアルタイムでやっていた世代はもう40〜60代くらいだろう。むしろ令和のいまは「子供はゲームなんかやらない」まであると思う。意識を更新してほしい。

それよりも致命的だと思うのが山崎貴の平場の演出能力の低さで、評判のいい『アルキメデスの対戦』も冒頭のアクションとラストのオチがよかっただけで、平場でなんでもない会話をしているシーンとかがとにかく弛緩していて退屈だった。本作にもその傾向は色濃く残っていて、キャラクターたちが生きている登場人物に全く見えない。

すぎやまこういちの音楽はさすがと思うものの、ラストにドラクエ5とは無関係な「そして伝説へ」がかかっていたりと、こういう細部に制作陣の姿勢が見え隠れしてしまう。アクションはよかったと思う(特に中盤の雪上チェイス)。
ゆうすけ

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